音が大きなおじさん


ある職場にいたとき、役職定年後の方で声の大きな方がいました。普段の声だけでなく、電話対応の声も大きめです。私はこの人は耳に障害がある方なのだと思っていました。

しばらく経ちますと、耳のせいではないことがわかってきました。声だけでなく、いろいろな動作でも必要以上に音を出すのです。出勤してくると机に鞄をどーんと音を響かせて置きます。机の引き出しをしまうときも、思いっきりがーんと押し込みます。その音を響かせると周りの社員はびくっとして、音の方向を見ます。その瞬間だけ注目を集めます。

その人が音を立て、声が大きいのは、「人に認められたい」という潜在的な気持ちの表れだと思うようになりました。歪んだ承認欲求ではないでしょうか。

役職定年になりますと、心が不安定になる人が現れます。表現が難しい感覚ですが、会社の中心から外されたような気分になります。今までも呼ばれていた会議にも呼ばれなくなるのですが、その会議の内容が気になります。役職定年を受け入れていないままの人たちです。

役職定年後の気持ちのコントロールは難しいとは思います。役職定年にならない役員の人と比べたら、負け組のような感覚を持つかもしれません。しかし、いつまでも不安定な気持ちで停滞してはもったいないと思うのです。

役職定年となったら管理職感覚を終わらせましょう。簡単に切り替えろとは申しません。気持ちは複雑です。ひとつひとつ、終わらせましょう。音が大きなおじさん(おばさん)にならないように。

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