手遅れな改善提案

定年退職までの期間が1年を切るといろいろと考えます。

新卒からずっとその会社に勤めてきた人は、38年の意味を求めようとします。それは当然のことで悪いことではありません。建設業にいた友人と街を歩いたときに「あの建物の仕事をしたんだ」と教えてくれました。形に残るものを残せる仕事に関わった人は、自分の長い会社生活の意味がわかりやすくすっきりします。

一方で意味が見つからず、退職までに意味を急に作ろうとする人がいます。何か会社に自分がいた証(あかし)を残そうと急に仕事のアクセルを踏むのです。「その証が長い会社生活の意味」と考えるとすっきりするのかもしれません。例えば、改善提案を上司に言い出したり、現状調査をまとめたりしはじめます。残念ながら手遅れです。30年遅いし、付き合わされる周りは迷惑です。


所属していた組織は、退職しても自分抜きで維持されて2週間もすれば存在も忘れられてしまうのです。それは一般社員でも社長でも同じです。
38年の意味は、無理に作る必要はありません。内面にあるはずです。定年退職は会社を静かに去りましょう。

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