チャットツール:戸惑いから信頼へ

数年前、職場でチャットツールが導入されたとき、私は戸惑いを隠せませんでした。90年代に導入されたメールのおかげで電話が減ったのに、チャットは突然の電話のように、自分の仕事に集中しているときに割り込んでくるものと感じました。

チャットの内容の中にはスピードを求められるものがあり、「早く返さないといけない」という意識から、他の仕事の手を止めて対応せねばならないというプレッシャーを感じました。常に返信しなければいけないというプレッシャーを感じ、他の仕事に集中できなくなることが、ストレスの原因でした。

チャットのメリットを感じ始めたのは、チャットによって同僚に助けられることが多くなった頃からです。毎日の定刻に締切時間がある伝票処理をしていたのですが、「この伝票、漏れないか?」などと、違うフロアから同僚のメッセージが飛んでくることで、ミスが防げるケースがありました。

お互いにチャットでコミュニケーションを取ることで、フロアや拠点が違う、顔の見えない場所にいる同僚ともつながりが実感できます。チャットは重要なコミュニケーションの一つだと考えるようになりました。

中高年が発するチャットは、誤字や誤変換が多いようです。エンターキーを押す前に発信前に文章を見直しをしてから発信します。着信時にはゆっくり読んで、すぐに対応すべきか自分が対応すべきかを判断します。宛先が自分のグループ宛ならば、自分がすべてを答える必要がなく、忙しいなら無視を決め込むのも「あり」です。

大切なのはお互い様の精神で、助けられる、助けるという気持ちでチャットと付き合うことです。チャットを上手く使えば、職場での中高年の孤立を防げる有効な手段となり得ます。

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