中高年がマルチタスクを苦手とする理由と克服方法

世間ではマルチタスク能力が求められる場面が近年増えています。しかし、中高年になるとマルチタスクが苦手になりやすいと言われています。私もその一人で、仕事中に「これ以上は無理」と嘆いてしまうことがあります。加齢に伴う前頭前野の衰えにより、記憶力や注意力の低下、計画立案や問題解決のスピードの減少などが見られるようです。

歳を重ね、若いときと同じように仕事をしていたら、速度も正確性も低下するのは当然です。能力の維持は困難ですが、低下していくなら、仕事のやり方を変える必要があります。アウトプットの質とスピードを最大限に維持するための変更や工夫は、日々の業務の中で常にすべきです。

マルチタスクが求められる職場では、次のような工夫が有効です。具体的には、マルチタスクを自分の中でシングルタスクに変換する方法があります。周囲にはマルチタスクしているように見せかけながら、自分の中では横並びに押し寄せる仕事を縦並びに変換し、1つずつ集中して取り組みます。

仕事Aと仕事Bにそれぞれ、慌てて眼の前の業務にかじりつくのではなく、時間をブロック分けし、それぞれのブロックに特定のタスクを割り当てることで、計画的にシングルタスクを進めることができます。「10時までAをやって10時からBを、11時になったらAに戻る」というイメージです。できるだけ細切れ作業にしないようにします。タスク間の切り替えには、大きな認知的負荷がかかるため、細切れ作業にすれば、疲労が増え、ミスも増えます。

若いときと同じようなスピードでのアウトプットは難しいかもしれませんが、シングルタスクへの変換によって、仕事の進捗を明確に把握でき、達成感も感じやすくなります。

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