なんとなく資格

40代の彼は複数のIT関連の資格を持っていました。彼は今の職務から抜け出したいと考えていました。その資格が必要とされる職務には就いていませんでした。資格のために仕事の合間に勉強し、土日も勉強している姿は立派です。しかしながら、社内公募に何回か応募しても資格を必要とする職務には就けませんでした
 彼を見ていると「資格」が何かを起こしてくれるように考えているようでした。今の仕事には満足していなくて、資格を持っていればここから出られると思っていたようです。ひとつの資格をとっても仕事が変わらないので「これもとってやれ」とどんどん資格を取っていきます。しかし、「資格」が転機や変化を運んでくるわけでもありません。「今が不満」と感じている人が「資格」を得ても、それだけで終わります。

 彼が持っていた資格を得るには多くの時間と努力が必要ですが、IT系の資格は、医者でも弁護士でも看護師でも教職でもないので資格があるだけでキャリアチェンジができるものでもありません。
 資格の取得を否定しているわけではありません。資格があればなんとなく違う仕事に就けるというような「なんとなく有利」という感覚を持つよりも、具体的なキャリアプランを描くべきです。

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